今月6日に発売された、2019年4月号を最後に休刊が発表されている「MdN」。最終号は「特集:ヒトとコトで振りかえる平成のグラフィックデザイン史」。平成のグラフィックデザインに関する事柄がMdNらしくまとめられています。
内容は、平成のデジタルデザインと、エンターテインメントの視覚表現が中心。MdNの視点でまとめられた平成のグラフィックデザイン史です。
<人で振り返る>
- 田島照久が、アニメ業界にグラフィックデザインの概念を取り入れた(語り手:染谷洋平)
- 信藤三雄が、平成の音楽のビジュアルを拡張し牽引した(文:編集部)
- groovisionsは、chappieによってデジタルデザインのシステム自体を作品化した(文:水島 己)
- 常盤 響は、DJ的感覚で90年代の東京のカルチャーをビジュアライズした(文:菊池元淑[LOKI])
- Enlightenmentが、アートとグラフィックの新境地を開いた(文:蜂賀 亨)
- 草野 剛は、普遍性の高いデザインでアニメが持つ突破力を増幅させた(文:杉山峻輔)
- 中村勇吾が、Flashを基調としてインタラクティブ・デザインの新しい形を作り上げた
(語り手:萩原俊矢、花村太郎、西村斉輝/文:平岩真輔) - 川谷康久は、少女マンガのグラフィックの風景を変えた張本人(語り手:染谷洋平)
- チームラボが、クリエイティブと技術の相互作用から新しい体験を生み出した(文:編集部)
<コトで振り返る>
- 印刷工程とデザインの表現に大変革をもたらした「DTP」
- インタラクティブなデザインを一気に押し広げた「Adobe Flash」
- 文字をデザイナーのもとに開放しデザインの風景を一変させた「デジタルフォント」
語り手をバルコロニーの染谷氏が担当していて、デジタルなグラフィックデザインを中心に、音楽、サブカルチャー、アニメ、マンガなどMdNっぽいまとめとなってます。
グルービジョンズやNend時代のアングラ感が消えた草野剛氏など、ロートルのグラフィックデザイナーにも懐かしい世紀末〜2000年代も内容も。今見ると、当時の空気感は独特で、あの頃は斬新に感じたデザインも、今では真新しさもそんなに無いのが時の流れを感じさせます。
その辺りのデザインが好きな人には懐かしく、記念に読んでみても良さそうな内容となってますので、気になる人は是非読んでみてください。
MdNって平成が始まった年に創刊して、平成は終わる年に休刊するんですね…。なんという偶然。いやあ長い間お疲れ様でした。