企業に所属していない、個人事業主のフリーランスのデザイナーが困るのが「デザイン料金の決め方」。価格交渉って最初は本当に苦労するものです。
なので、一度こちらに指南書がてらまとめてみます。
とりあえず自分の中で簡単に相場を決めておく。
まず、自分の中で基本料金の相場を決めておきます。ただ、そんなに細かくは最初からは無理なので、例えばA4片面フルカラーのチラシで15,000円くらいかなとかのベースです。
基準の考え方としてはふた通りあります。
1、時給で考える。
このデザインなら何時間掛かりそうだからいくらにするなど。
例えば世の中の便利屋さんは最低でも時給で2,000円~3,000円です。個人的にはそれ以下には設定しないことをオススメしておきます。便利屋さんの料金相場って結構料金の参考になりますよ。
2、公表している他人を参考に考える
ネットで料金表を公開しているデザイン事務所などを参考に、相場を決める方法。
「デザイン事務所 料金」などで検索すれば結構でてくるので、これを参考にするのもあり。
デザインの範囲や領域によっかかってくる作業量やコストも異なるし、必要なリソースも変わってくるので、あくまで参考にね。
相手の予算を聞いてみる。
よくあるのが、クライアントもいくらくらいかわからないパターン。
「いくらくらいになるんですかねぇ、よくわからなくて…。」ということを言われるのは、けっこうあるある。
その場合、まず予算を聞いてみるのが良いでしょう。
「いくらくらいで作りたいですか?」など聞いてみます。
ここで、自分の想定していたベースより多ければそのまま引き受け、少なければ見積もりを出すので検討してくださいという流れがやりやすいです。
相手によって、デザイン料金をどこから捻出するか異なるので、上で書いたこちらの相場から大きくかけ離れることもあります。例えば、販促用のデザインは広告費だったり、販売物は商品自体の原価に入れ込んだりされる場合も。クライアントにその辺りを聞いてみて、相手の立場も理解して調整すると意外とうまくいく場合が多いように思います。
相手の予算が低い場合は、こちらの作業量、作業工数を減らしていくパターンも有効。たとえば4ある作業のうち1個はクライアントに任せるなど、こちらの作業量を減らして安くするパターン。これは相手次第なので、臨機応変に。
料金は、クライアントの性質に合わせ上下させる。
例えば、修正を何回も依頼してくるクライアントには、前もって多めの金額を提示しておきます。また、途中で180度の修正でゼロからやり直しを平然と依頼してくるクライアントもたまにいるので、そういう場合は、修正は何回までなど、ゼロからの修正は別料金になることを設定しておくのも有効です。
また、納期が短い仕事ばかりを頼んでくるクライアントには、納品までに日数によって特急料金を設定しておきましょう。
フリーランスデザイナーには、企業から溢れた仕事がくることが多いので結構納期が厳しいものが突然来がち。そのため、特急料金の設定はおすすめです。
特急料金については以前のエントリでも書いていますので参考にどうぞ。
まとめ
いずれも、初めての仕事はクライアントの性質が分かりませんし、最初から100%満足のいく交渉はできるはずはないので、上で書いた3つを頭の片隅にでも入れておいてもらえれば場面場面でいつか役に立つ場面がくると思います。ぼくも数年フリーランスデザイナーをしてきて、あの時もっとうまく交渉していたら…。と思うことが今でも多いです。
フリーランスに大事なことは「自分の気持ちに正直に従う」ということだと思っています。自分が納得できれば、それがあなたにとっての適正料金になります。
もし仕事をしていて、この仕事安すぎると感じることがあれば、それはあなたのとって適正料金でない可能性が高いです。機会を作って価格交渉をすることをおすすめします。上でも書きましたが、料金をあげることが難しい場合はそのクライアント案件の作業工数を減らし、作業時間を削減することを考えることが大切。また、クオリティも下げざるを得ないことを伝え、もし可能ならクライアントと話し合いながらコスト削減をしていくことも必要です。
価格交渉をして、仕事の依頼が来なくなるクライアントは、あなたのことを単なる奴隷としか見ていないクライアントなので、早々にこちらから距離を置くべきです。最初は、なかなか気づけないんですが、いずれ精神的にきつくなってくるので、わざと高めの価格を提示して発注が来ないようにコントロールしましょう。
最初は難しいですが、徐々に自分のベースを確立できるようにしていければ上々だと思いますよ。