なにかと難しいフリーランスの料金設定。料金改定すること前提にするとスッキリ考えられるという話。

フリーランスになって、クライアントワークを受注する場合、料金設定ってなかなか難しいですよね。自分の技術をいくらで売るか。ぼくも、始めた当初はなかなか、明確な基準が無く、ふわふわした料金設定で仕事を受注していました。

フリーになってから7年経って、今思えば「もっとこうしておけばよかったな」など、色々わかるんですが、当時はわからないものです。ですので、この7年で感じた料金設定についての現段階でも考え方を書き出してみます。これからフリーランスを目指す、始める方に向けて少しでも参考になれば幸いです。

ぼくの場合は、グラフィックデザインを中心としたクライアントワーク。グラフィックデザインをはじめ、チラシやDTP、商品パッケージなどの料金設定の話になりますが、根本の話は全般の方に通じるはずです。

出だしは相手に合わせるのもあり。

フリーランスとして独立してすぐ、自分の料金設定を明確にできる人もいるかもしれませんが、ぼくとしてはなかなかしっくりくるようにするのは難しいと感じています。

はじめはまず、相手の予算に合わせて仕事をしてみるのもありだと思ってます。明らかに安すぎる場合は断って良いと思いますが、「ちょっと安いなぁ…」くらいだったらとりあえず引き受けてみてしまいます。

実際進行していき、「これはキツイな…。」と言う場面でクライアントに、「最初の予想を超えて、キツイのでなんとかなりませんか…?」と正直に聞いてみます。

ここで、料金を融通してくれる、もしくは作業内容を調整してくれるクライアントなら、今後の良好な関係が期待できる可能性が高いので、その仕事はきちんとクライアントのために頑張りましょう。そして、料金について徐々に適正な価格を調整していけるでしょう。

反対に、相談を無下にするようなクライアントの場合、その後の良好な関係は期待できないので、その仕事だけは我慢して適当に仕上げて終わらせます。その後は料金を高く設定します。キツイ発注がきても、それに見合った売り上げになるようにコントロールします。

フリーランスからの相談に対して、向かい合ってくれるクライアントはちゃんと相手に思いやりを持っている証拠です。

もし、そうでないクライアントの場合、最悪発注が来なくなっても、その方が長い目で見ればプラスになります。

料金は改定するもの。

7年フリーランスをしてきて、料金は時期をみて改定していくことを前提にすべきだと強く考えるようになりました。

特に、先に書いたように、独立当初の料金設定は相手の予算に合わせたりしていて、かなり安い場合が多いです。ぼくの場合は、数年後に気づきましたが、当たり前のことなのになかなか気づきにくいものですね。

フリーランスデザイナーは、生活全てが経費と言っても過言ではないですから、ガスや水道、電気代が年々値上げ。物価も上がり、年金も年々上がっています。(2011年には月15,000円程度だった国民年金支払い額は2018年には16,340円と10%弱も上がっています。)

また、グラフィックソフトも買い切りから、サブスクリプションへ以降し、毎年料金がかかるようになったりと、純粋な作業環境も値上がりすることはあっても、値下がりすることはありません。

フリーランスの場合、これら全てを売り上げで賄わないといけないので、そう考えると年々提示するデザイン料金をあげていかないとジリ貧になるということなんですね。

また、実家で仕事をしているか、賃貸か、結婚しているか子供はいるかなど、支出の状況は人それぞれですが、基本は家賃も払い、扶養家族もいる状況を想定しておくのが良いと思います。

今思えば当たり前のことなんですが、フリーランスになった当初は意外と頭の中から抜けがちです。

クライアントには、料金は改定していく旨を伝え、自分も意識しておく。そして、自分の価値が分かってきたらだんだんと料金を改定していくことが重要です。若干めんどくさいんですが、これも自営業の宿命かと。でもだんだん慣れてきて、二、三年もすれば自分の価値がだんだん分かってくるので、なかなか面白いものです。

ということで、徐々にで構わないので改定をしながら。自分を安売りしないようにがんばりましょう!