フリーランスが価格交渉をする際は、消費税抜きの価格をベースに交渉するべき3つの理由。

これ、意外と重要だと思ってまして、フリーランスのみなさんにぜひお伝えしておきたいんです。

料金や報酬のやりとりを、税込のみでするか、税抜でするか…。みなさんはどうしてますか?

もし、みなさんの周りで税込価格でやりとりをしたがる取引先がいる場合、そのクライアントは一応、気をつけておいた方が良いです。

実際ぼくもフリーランスを始めた当初に、分かりやすいからという理由で税込価格でやりとりをしたがる取引先がいて、税込価格でやりとりしていたんですが、後々、税抜き価格でのやりとりに変更しました。

なぜ、税抜でやりとりした方が良いのか。理由を書いていきます。

消費税率は変化する。

思えば、2014年に消費税が5%から8%に上がって、来年2019年の10月には消費税が10%に上がります。そうです、消費税率は数年ごとに上がっているんです。

税込料金でやりとりしていると、消費税が上がるタイミングで、クライアントが、「あ、これ料金あがっちゃうんだな…。」と感じやすいんです。

消費税増税のタイミングで値下げ交渉をしてくるクライアントも実際にいました。(もちろん断りましたが…。

消費税によって、家賃や食費、スマホなどの通信費にいたるまで、私たちフリーランス自身の費用も上がっているわけですから、消費税率の上昇によって損をすることのないように、日頃から税抜き価格でやりとるすることが重要だと考えています。

源泉徴収は税抜き価格から計算される。

これも意外と重要なんですが、報酬から源泉徴収税が前もって引かれる職種の人は、

源泉徴収税は税抜きの報酬金額に対して、かかってきますので、実際に支払われる金額を計算するには、税抜き金額を表記している方が明朗。

ちなみに、報酬の支払い金額が100万円以下の場合は「報酬額の10.21%」が源泉徴収する税額です。

取引先の請求書担当の人も、税込価格だけの請求書よりも税抜価格表記のある請求書の方が絶対楽なはずです。だって、税抜き価格を計算する手間が1つ無くなりますから。

税抜き価格の表記は、会計上でもお互いにとってメリットがあるわけです。

税込価格のみで考えていると、消費税分だけ自分の価値を下げがち。

上でも書きましたが、消費税は来年10%になります。ということは10万円の報酬で1万円です…。でかいです。

もし、自分の仕事に対する報酬の金額を税込でいつも考えているならば…、実際の報酬よりも消費税分だけ少なく見積もってしまうことになりかねません。

消費税3%の時代ならまだその差に目を瞑るフリーランスも少なくなかったかもしれませんが、10%で考えると…その差は大きいです。

ぜひ税抜き価格をベースに、自分の仕事に対する対価を考えていきましょう。

余談:消費税の引き上げ分をしぶる取引先がいたら。

消費税引き上げのタイミングにあわせ、取引先が値下げを強要してきたりして、消費税の引き上げ分を受け取れないなんてことがあったら…。

その時は、税務署および、公正取引委員会・中小企業庁の力を借りましょう。

自営業者には、この季節に届く封筒があります。

中身は、「転嫁拒否等の行為の是正」について。

「取引先との力関係から、あなた(下請け)が不利益を被ってないですか?」という内容で、「もし、いじめられてたら是正するからチクってね」ということが書かれています。

今回話題にした、税込価格でのやりとりの強要についても、禁止事項として書かれています。

そういったトラブルに悩んでいるフリーランスがいたら、ぜひ一度この書類に目を通して見て欲しいです。WEBからも読めます。

転嫁拒否等の行為の是正|中小企業庁

消費税率引き上げのタイミングは、フリーランスにとっても重要です。ぜひ報酬金額や価格交渉で、不利益を被らないよう、念の為心構えを準備しておきましょう。